とらぞうのおかち日記
 1歩2歩散歩 
西日本編


Vol.02
〜山の辺の道 その1(桜井→天理)〜
12.1km

ひっそりと山の辺の道道標 2003年 5月 1日(木)
古都奈良の旧道を歩きたい!ということで、山の辺の道。 道筋は時代によって変わっているそうだけど、『古事記』にも登場する由緒?ある旧道。 古代史好きにはたまりません。 近鉄提供の「てくてくまっぷ」を片手に「南コース」を歩きます。

内山永久寺跡の蕉句碑


08:45 古代史の拠点桜井市の桜井駅
08:45 古代史の拠点桜井市

09:10 ここから仏教が伝わりました
09:10 仏教伝来之地碑

09:20 元は石棺の蓋です
09:20 2枚ある金屋の石仏

09:40 大和国の一宮:大神神社
09:40 大和国一宮大神神

10:15 巻向川を挟んで青垣が
10:15 巻向川を挟んで青垣

10:40 ホケノ山古墳…ってゆーか、ホケノ山公園?
10:40 ホケノ山公園?

11:00 のどかな田園地帯を進みます
11:00 コンクリートの旧道

11:15 景行天皇陵(山辺道上陵)
11:15 景行天皇陵遠景

11:55 崇神天皇陵(山辺道勾岡上陵)
11:55 崇神天皇陵近景

12:20 鏡は石室の両脇に並んでいました
12:20 黒塚古墳の模型

12:50 鐘楼門の周りは人だかり
12:50 長岳寺の鐘楼門

13:05 昼だ!昼だ!昼だ!
13:05 昼だ!昼だ!昼だ!

13:35 柿本人麻呂歌碑
13:35 柿本人麻呂歌碑

13:55 一本道のの〜ど〜
13:55 一本道のの〜ど〜

14:15 茅葺きの夜都伎神社拝殿
14:15 茅葺きの夜都伎神

14:40 脚が痛いので歩きづらい(^_^;
14:40 茶屋を出ると石畳

15:05 国宝の石上神宮拝殿
15:05 石上神宮拝殿

15:40 コンサートができそうな天理駅
15:40 広〜い天理駅

16:35 国宝の薬師寺三重塔東塔
16:35 国宝の三重塔東塔

20:10 びっくりラーメンでビックリ!(◎o◎)
20:10 180円のラーメン

 昨日はちょっと無理してしまって脚が痛い。 しかし、今日は文字通り五月晴れでウォーキング日和。 もう歩くしかないでしょ。
 JR奈良駅で「奈良ウォーク・キャンペーン」の応募用紙をGET。 桜井駅南口で少女像の花束をチェックしてから、駅を北上して名前のない交.を右折。 しばらくすると十字路に「山の辺の道」標識があるので左折。 足下がベージュにカラーリングされているので、このまま進めばイイみたい。 だんだん田園地帯になってくる。

 9:05馬井手橋をスタート。 初瀬川(大和川)を渡るとすぐ仏教伝来之地碑。 何と!ここは港で、欽明十三年(552)百済の使節より仏像・経典などが献上されたそうだ。 歴史が古い。
 K199を横断して金屋の集落に入ると、右手に日本最古の市の跡で海柘榴市。 松尾芭蕉も歩いた初瀬街道との追分。 眺めていたら、旅人が2組も過ぎて行った。

 少し進むとカラー舗道が終わってる!と思ったら、右折。 上り坂で道も細くなり、名前の通り“山の縁”を歩く。 右手に金屋の石仏。 祠の中に国指定重要文化財の石板が2枚並んでいる。 ホントは石棺の蓋だそうで、古墳がゴロゴロしている奈良らしい。
 石畳を進むと左手に崇神天皇磯城端籬宮。 マップに載っていない遺跡を発見できてウレシい(笑)。 寄り道したら志貴御県坐神社で思ったよりも狭い。 旧道に戻って川沿いの崖を進むと、意外と山深いので、登山道を歩いているみたい。

 平等寺を過ぎると急に人が多くなる。 国指定史跡大神神社。 さすが大和国の一宮だけにデカい。 ご神体が三輪山なので本殿がなく、拝殿が国指定重要文化財。 参道には屋台が並び、人をかき分けて進む。 狭井神社も上り坂なのに人がウジャウジャ。
 旧道は人がすれ違えられる程度の道幅。 時々石畳になって静寂が戻る。 人気スポットらしく、50mくらいの間隔で旅人がいるので、当時もこんな感じで人々の往来があったんだと、思いながら歩く。

 “山の辺”なので上ったり下がったり。 右手に元伊勢と呼ばれる桧原神社。 鳥居が3つつながっているので珍しい。
 旧道は巻向の谷を大きく回って進む。 川を左に見て山方向に進むと、奈良の“青垣”ってのがよく分かる。 確かに山の緑はキレイで、振り返ると下界の景色もイイね〜。

 鋭角に折れて東に向かうと左手に地蔵堂。 この先旧道は右なりにカーブするけど、10:25寄り道で左手の坂を下る。
 人気のない舗装道路。 丁字路を左折・右折すると右手にこんもりとしたホケノ山古墳。 幼稚園児がウジャウジャいて格好の遊び場なんだね。 古墳に登ると東の方向にお目当ての箸墓古墳が見える。 う〜む、これで満足。 脚が痛いので、歩かなくて済むならありがたい。(^_^; 下ってきた道をそのまま上って約30分の寄り道。

 旧道に戻るとオリエンテーリングの小学生の一団と一緒になる。 子供達が関西弁でしゃべっているのがミョ〜な感じ。
 のどかな田園地帯。 桜井市が力を入れて道標が充実しているので迷わなくてありがたい。 東海道みたいに一定の道幅のある旧街道とは違い、太くなったり細くなったり、民家の間やあぜ道を通るので、変化があって面白いね。

 コンクリートのキツ〜い“登り”坂を過ぎると十字路。 前方に景行天皇が見える。 左折すると旧道だけど、右折すると右手に景行天皇纒向日代宮。 その先に相撲神社。 由緒があるんだろうけど荒れ果てていて、歴史から取り残された感じ。 小学生達はここでお昼のようで弁当を広げている。
 旧道に戻って家と家の間の細い道を右折。 景行天皇陵の手前で額田王歌碑をチェック。 陵を過ぎて下ると…ありゃ?R169に出ちゃった。 桜井市の道標は…ってゆーか、景行天皇陵から天理市。 う〜む、マップは持っているけど、天理市も道標作って!

 崇神天皇陵で旧道に復帰。 上り坂の途中で私服の高校生らしい大軍と遭遇。 修学旅行なのか?オリエンテーリングなのか?道にウジャウジャ。 人をかき分け…ふぅ。
 景行天皇は宮と陵との距離が近いけど、崇神天皇の宮は金屋にあるので遠い。 どういった理由で宮殿や陵墓が造られるのか? しばらく旧道は高校生でいっぱい。 おかげで4世紀の築造で価値が高いという櫛山古墳を見過ごした(人のせいにする)。(^_^;

 12:00右手に休憩施設の天理市トレイル・センターが見えるけど、古墳を見るためまた寄り道。 R169を横断すると、町の中に国指定史跡黒塚古墳。 古墳は公園になっているので、やっぱり登るでしょ(笑)。 前方後円墳は“前方”より“後円”の方が高くなっているけど、実際に登ってみると思ったよりも高低差がある。 平成十年(1998三角縁神獣鏡が33枚も出土したというのでスゴいことだ。 展示館で航空写真を見ると呆れるくらい古墳があり、桜井から3時間ほどで何基見たことか? イイな〜、古墳のある生活。

 約35分の寄り道で、サークルK茶屋でPET飲料を購入。 トレイル・センターは高校生軍団でいっぱいなので長岳寺へ進む。 天長元年(824淳和天皇の勅願で空海によって創建された古刹。
 参道には平戸ツツジが咲き乱れ、国指定重要文化財の鐘楼門は観光客が多くて、撮影が順番待ち…。(^_^; 境内の浄土式庭園にはツツジのほか、アヤメオオデマリなども咲いていて、写生している人が多い。 苔生した石仏があったり、なかなかイイね。

 13:00庫裏ではそうめんが700円で食べられるので昼食だ! ちょうど団体客が入っていて、縁側で食べることに。 なかなかの趣き。 山の辺の道は人通りこそ多いけど、食事のできるところは少ないので、長岳寺みたいな場所はありがたい。 昨日の反省で休憩を小まめに取らないといけないんだけど、今日も歩きづめ…。

 25分の昼休憩の後、寺を出て右折。 黄土色の土壁がある中山の集落を抜けると田園地帯で、柿本人麻呂歌碑がある。 しばらくすると念仏寺で、墓地がルートになっているのでスゴい…。
 萱生環濠集落は中世の堀が残っていて、大和棟の民家も見られる。 昔は生活を守るってことが大変だったんだね。 集落を過ぎると左手に波多子塚古墳。 畑になっている…。

 ビニールハウスが並ぶ一本道の農道。 前を見ても後を見ても旅人が歩いていてなかなかの賑わい。 昨日の「歴史の道」とは大違いで、昔の道を彷彿とさせてイイ感じ。 
 竹之内環濠集落に寄り道してから再び一本道。 農家の入口に1パック100円のが山積み! 安い! すれ違う旅人が申し合わせたように苺をぶら下げている訳が分かった(笑)。

 板壁の民家が並ぶ乙木の集落を抜けると夜都伎神社。 式内社で茅葺きの拝殿がイイ感じ。
 しばらくすると車道に出て右折。 緩やかな上り坂。 道標を左折すると左手に峠の茶屋天理観光農園(天理市園原町183)茶屋。 ちょうど休憩したかったんだよ(笑)。 この先が急な“登り”坂のようなので、ソフトクリーム250円を食べながら15分休憩。

 茶屋を出て右折すると石畳! そして、かなりの急坂! 脚が痛いので茶屋で休憩しておいてヨカッタ。 果樹園の中の獣道のような旧道を通ると左手に本堂池。 釣り人が2人。
 永久年間(1113〜18)に鳥羽天皇の勅願によって創建されたという内山永久寺跡。 「大和の日光」と呼ばれ、往時は賑わっていたそうだけど、今はひっそり。 明治の廃仏毀釈で、そのまま“永久”に廃寺となってしまった。 …。 芭蕉句碑(本名の宗房号の句)があるけど、大伽藍だった寺も、世捨て人の夢のあと。

 R25をくぐって山道に入ると、だんだん寂しくなってくる。 森を抜けると式内社石上神宮。 何故か牛のブロンズ。 国宝があり由緒ある神社なので、さっきの大神神社並の人込みを想像していたけど、先に着いて休んでいる旅人1組しかいない…。 う〜む、呆気にとられちゃう。 おらの前後を歩いていた旅人たちはどこ行った?
 15:05今日の旅はここで終点。 国宝の拝殿でお参り。 永保元年(1081白河天皇が鎮魂祭のために平安京大内裏の神嘉殿を移築したもので、現存する拝殿では最古のもの。 まだまだ文化財の数は多いので、詳しくは地元の方にお任せする。(^_^;

 神聖な静けさの中でしばらく休憩してから天理駅へ。 K51を右折して、桜並木を下り布留交.を左折。 さすが天理教の町。 施設はデカいし、人はウジャウジャ、屋台も並んでいる。 天理本通商店街はアーケードが長くて1km近くあり、天理教信者の黒いハッピ姿が行き交う。 駅前広場も広く、ゆうゆうコンサートができそう。

 まだ午後4時なので昨日の敵を取りに世界遺産薬師寺へ向かう。 受付に着いたのが16:30で、「5時で閉まるのでお代はいらない」というのでありがたいことです。 天武天皇持統天皇の愛の結晶だけに、受付にも愛がある♥ ちょっとせわしないけど来てヨカッタ。 ぐるぐる回って写真パシャパシャ。 充実。\(^-^)/
 しかし、相変わらず脚が痛いのでまた薬ヒグチ屋奈良本店で湿布を買う。 今回は冬用の暖かい靴を履いてきてしまって、靴の中で足が汗かいて滑るのか?マメもできてしまい、もうボロボロ…。(T-T) 旧道自体の距離は約12.1kmだけど、その前後の桜井駅から天理駅までを加えると約15.9km。 桜井駅→馬井手橋は計測していないけど、石上神宮→天理駅の歩数が3,456歩なので、何だかんだと推定34,286歩も歩いている。(^_^;

 ホテルに帰って、何食べようか?と、JR奈良駅前の信号でボーッとしていたら、「びっくりラーメン¥180」の看板が! 大阪の会社でラーメン一番(奈良市大宮町1-1-12)茶屋JR奈良店。 以前ニュース番組で特集していたけど、関東に進出してほしいな〜。 しかし、ラーメンだけじゃ物足りないので、ギョーザ&ライスを追加した「得々セット」で480円(税別)! ギョーザとライスはう〜む…だけど、ラーメンはあっさり醤油味の中華そばをムシャムシャ。 充実。\(^-^)/

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おまけ
所要時間(休憩除いた正味時間) 6時間(約5時間20分)
万歩計の歩数 28,032歩
経費
長岳寺入山料 200円
 
参考図書&LINK
『山の辺の道コース』(近鉄てくてくまっぷ【奈良-9】)
『時代別・奈良を歩く』植条則夫
近畿日本鉄道(http://narashikanko.jp/)
「観光・お出かけ」→「てくてくまっぷ」に地図(PDFファイル)があります

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